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反日ハンター・神功正毅です。 日本や中国、ロシアといった大国に囲まれた半島国家の朝鮮は歴史的に、勢いのある隣国に寄り添って生きてきた。中国が権勢を奮っていた時代には中国の冊封国(朝貢国)として生き、日清、日露戦争で日本が清とロシアを破ると日本の統治下に入った。 日本は太平洋戦争に負けて1945年8月、ポツダム宣言を受諾する。すると、米国が北緯38度線以南の南朝鮮を占領したが、3年後の48年8月、米国が主導する国連監視の下で選挙を実施し、現在の韓国(大韓民国)が誕生した。 ソ連が占領していた38度線以北の北朝鮮は韓国が独立した翌月の45年9月、朝鮮人民主主義人民共和国(北朝鮮)として独立した。以降の朝鮮半島はご承知のとおり、南の韓国と北朝鮮に分断され、現在に至っている。 南も北もそれぞれ独立国家だが、北朝鮮はロシアと中国の影響下にある一方、韓国も中国や米国、あるいは日本の影響も受けている。こう書くと、反日団体は「日本の影響を受けているとは何事だ!」と憤るかもしれない。 だが、たとえば一昨年の慰安婦問題をめぐる日韓合意に至る経緯を振り返ってみても、それがうかがえる。合意には日韓双方から「結ぶべきではなかった」という批判が出た。とはいえ、政府レベルでは「それが日韓両国にプラス」という判断があったからこそ実現した。 当時の情勢を大局的に眺めれば、私は日韓合意を求めたのは韓国側であり、日本はどちらかといえば、韓国の希望を受け入れた側とみている。なぜ、そう言えるのか。 それまで朴政権は親中国の立場に立っていた。当時の朴大統領と習近平国家主席の蜜月ぶりは、いまさら指摘するまでもない。韓国にとって中国は最大の貿易相手国である。中国にとっても、いつか朝鮮半島が統一されたときを考えれば、北朝鮮よりも韓国こそが半島全体の利権を獲得するための大事なパートナーだった。 ところが2014年夏、中国で不動産バブルが弾け、次いで15年6月には上海の株式市場が大暴落してしまう。一方、北朝鮮の核開発は急ピッチで進んだ。そんな情勢下、韓国は経済的にも安全保障上の理由からも、親中路線を見直さざるを得なくなった。 そんな経緯を経て、日本との間で結ばれたのが同年12月の慰安婦合意だったのだ。折しも、北朝鮮は翌16年1月に4回目の核実験を実施した。韓国とすれば、ギリギリのタイミングで日韓合意が間に合った感じである。 つまり、韓国は経済的に依存していた中国がバブル崩壊し、先行き不安になった。加えて、北朝鮮も核による威嚇を本格化した。このまま中国に頼っていたら共倒れになるか、体よく使い捨てられかねない。そんな状況に陥ってしまった。 そこで親中路線を修正して、日本との和解・協力路線に舵を切った。それによって、日韓和解を求めていた米国とも関係強化を図る。日韓合意へのインセンティブは、現状に危機感を抱き、日米との関係改善に活路を見出そうとした韓国側のほうが強かったのだ。 日本はべつに韓国と和解しなければ、国が危うくなるわけではない。そうは言っても、中国や北朝鮮が日本にとって脅威であるのも間違いないから、韓国が日米の側に近づいてくるなら拒否する理由はない。そういう展開である。 問題は韓国という国の、そんな「立ち居振る舞い」をどう評価するか、だ。 私はむしろ、韓国がそれまでの中国依存をばっさり改めて、ドライに日米重視に切り替えた点を高く評価している。「半島の小国として生き残るため、常に周囲を見渡して現実主義(リアリズム)に徹しているのは大したもの」とさえ思う。 プライドばかりを叫んで結果的に自滅するより、はるかに立派ではないか。韓国のしたたかな現実主義に日本はむしろ学ぶべきなのだ。 ところが、である。最近の韓国はリアリズムをすっかり忘れて、いまや亡国への道を歩み始めたように見える。その象徴が慰安婦合意の見直し論だ。 唖然とさせられたのは、国連事務総長まで務めながら大統領候補になったとたんに「日本が(韓国の和解・癒やし財団に)供与した10億円は日本に返すべきだ」と唱えた潘基文氏である。潘氏は合意が結ばれた時点では合意を評価していた。ところが大統領候補になったとたん、票欲しさからだろう、態度を一変させた。 韓国が日本に10億円を突き返すとなったら事実上、合意を破棄したも同然である。そうなったら、日米韓による対中・対北朝鮮政策の連携にも暗雲が垂れ込める。こんな人物が有力与党候補の1人なのだから、あきれてしまう。 中国はどうかといえば、韓国に厳しい目を向けている。対韓制裁ともいえる動きを強めているのだ。 もともと中国は韓国の超高高度防衛ミサイル(THHAD)の配備に反発し、韓国芸能人の広告出演を禁止したり、韓流ドラマの放送を禁止していた。それでも韓国の態度が変わらないとみるや、業を煮やして韓国人観光客向け臨時航空便の運行を認めなかったり、韓国企業に対する嫌がらせともとれる措置を乱発し始めた。 つまり韓国は反日に逆戻りして日本と険悪になったかと思えば、中国とも緊張状態を増している。一言で言えば、東アジアですっかり孤立化しつつあるのだ。これこそが、実は韓国がもっとも避けねばならなかった事態ではないか。 どうやったところで韓国は1人で生きてはいけない。日本もそうだし、実は米国だってそうだ。いわんや韓国においてをや、である。 たとえ「情けない国」と言われようと、周辺の大国との関係を上手にコントロールして生き延びる。それが韓国である。プライドだけでは生きていけない。 だが、いまの韓国は反日を叫ぶあまり、すっかり日本に正体を見破られ、駐韓国大使も一時帰国されてしまった。世界の国もあきれている。日本は大使を急いで戻す必要はない。韓国が正気を取り戻して、事態打開に動くまで日本に留め置くべきだ。 日本が韓国に学ぶべきなのは、ついこの間まで「したたかなリアリズム」だった。残念ながら、いまの韓国から得る教訓は「リアリズムを忘れて感情に走ると何が起きるか」だ。「孤立化」である。韓国を反面教師にしなければならない。 そう指摘したうえで「韓国にリアリズムを忘れさせた勢力はだれか」という点も付け加えよう。中心にいるのは親北左翼である。中国や北朝鮮が日本の平和と繁栄を脅かす現実に目を向けず、空理空論を唱える勢力は日本にもいる。 現実主義を失えば、国を滅ぼしかねない。それが日本にとって、もっとも大事な教訓である。
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